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【介護食の基本】安心して食べられるやわらかい食事

【介護食の基本】安心して食べられる食事づくりの基礎知識


「食事」は、栄養素を取り入れてエネルギーを作るだけではなく、食べることで楽しみや活力を見出したり、お腹が満たされることで満足感や精神的な安定が得られたりと栄養面だけでなく、精神面でも重要な意味を持ちます。

しかし加齢に伴う身体機能の低下で噛む力や飲み込む力が衰え、食事をすることが困難になり、食事量が減ってしまうなど食生活に大きな影響を与える恐れがあります。

健康的な食生活を送っていただくためには、高齢者が食べやすい食事について理解を深め、被介護者に合った食事を提供することがとても大切です。

今回は、これから食事介助を始める方に向けて、「やわらか食」の特徴や介護食を選択する際に参考にしていただきたい「ユニバーサルデザインフード(UDF)区分」や「スマイルケア食」についてご説明します。

やわらか食とは?


やわらか食とは?

冒頭でもお伝えしたように、高齢者は加齢に伴い「咀嚼力(噛む力)」や「飲み込む力」が低下し、繊維質のものや固いものが食べづらくなったり、唾液分泌量の減少により、口の中で食べたものがまとめられず上手く飲み込めなくなるということが起こってきます。

また、「味覚」も低下することで、塩味を感じにくくなるので、濃い味付けの食事を好むようになる傾向があります。

味覚の衰えは、美味しさが感じにくくなるので、食事が進まず低栄養に繋がる恐れもあります。

高齢者に健康的な食生活を送っていただくには、食べる力の低下に応じて食事形態を変化させる必要があります。

やわらか食とは、こうした食べる力が低下した高齢者向けに作られた食事のことです。

固いものが食べづらいという方や、きざみ食(5㎜~1cm程度にきざんだ食事)では食べづらいという方に、歯ぐきや舌でつぶせるくらいのやわらかさに配慮した食事を言います。

介護食の種類

ここでは、介護食の種類とその特徴についてご紹介します。

【きざみ食】
食材を被介護者の状態に合わせて、5mm~1cm程度の大きさに刻んだ食事です。
細かく刻まれていることで、口の中でまとめにくい食材は、だし汁を加えたり、とろみを付けて食べやすくします。

きざみ食は噛みにくい食材を刻んで小さくしているため、飲み込む力はあるものの食べ物を噛む力が低下している方に向いています。
飲み込む力が弱い人や唾液が少ない方には不向きな食形態です。

【ミキサー食】
食材に出汁など水分を加えて、ミキサーでなめらかな状態にしとろみ剤を加えて適度な粘度(ポタージュ状)に仕上げた食事です。 噛むことが難しく、飲み込む力も弱まっている方に向いています。

粘度の調整は被介護者によって個人差が大きく、食材や料理の温度によっても異なるので調整が難しいです。
粘度が緩いと、飲み込む際にむせやすくなり、粘度がきついと、飲み込むのに力が必要になり被介護者の負担になります。

また、水分量が多く、満腹感が感じやすくなるので、必要以上の水分を入れすぎないように注意が必要です。

【ゼリー食】
料理をペースト状にし、ゼラチンや寒天等を加えて固めた食事です。
ゼリーのような均一な食感なので口の中でつぶさなくても飲み込めるのが特徴です。

噛む力と飲み込む力どちらも低下している方に向いています。ゼリー食は手作りの場合、時間が経つと離水しやすいので、飲み込む力が特に低下している方には注意が必要です。

【ムース食】
すりつぶした料理をゲル化剤などを使用して成型した食事です。
舌でつぶせるやわらかさで、見た目が魚や野菜などの形に成型しているので見た目が良いのが特徴です。
噛む力や食べ物を口の中でまとめる力、飲み込む力などが弱い方に向いています。

【やわらか食】
食材を容易にかめる程度から歯茎や舌でつぶせる程度まで、食べる人に合わせて柔らかく仕上げた食事です。
食材の形が残っていて味も見た目も普通食と変わらないのが特徴です。

噛む力、飲み込む力ともに低下してきた方に向いています。
肉の筋切りをしたり、野菜に隠し包丁を入れたり、下ごしらえを工夫して加熱時も圧力鍋等でしっとりやわらかく仕上げるため調理に技術が必要になります。

柔らかさのレベルや段階は次項で説明します。

ユニバーサルデザインフード(UDF)区分とスマイルケア食

介護食を選ぶ際の目安として「UDF区分」(ユニバーサルデザインフード)や「スマイルケア食」があります。

そふまるの商品は全てUDF区分を取得しており「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」の3段階からお選びいただけます。

ユニバーサルデザインフード(UDF)区分とスマイルケア食

「スマイルケア食」とは、これまで「介護食品」と呼ばれていたものを高齢者に限らず、噛む力や飲み込む力に問題がある方々にも幅広く利用してもらうために、農林水産省により設けられた、新しい介護食品の愛称です。

スマイルケア食には3種類(青・黄・赤)のマークがあり、対象者が分けられています。

さらに黄マークは2~5の4段階、赤マークは0~2の3段階の区分になっています。

参考サイト:農林水産省スマイルケア食 新しい介護食品(外部サイト)

UDF区分に当てはめると以下のように黄マークの3~5がそれぞれ対象になります。


UDF区分とスマイルケア食

安心安全なそふまるの商品

そふまるでは老人介護施設の給食サービスで培った経験をもとに、研究開発された素材の見た目を大切にしたやわらか食を提供しています。

【そふまるのやわらか食の魅力】

①見た目が普通の食事とほぼ同じ
②柔らかく食塊になりやすい
③飲み込みやすさに配慮

すべての商品でUDF区分を取得しているので、お客様の状態によってやわらかさをお選びいただけます。
前項で紹介したUDF区分表を参考に、噛む力・飲み込む力に合わせたやわらか食をお選びください。

また、食塊(唾液と食べ物が混ざり飲み込みやすくなった塊)になりやすく、噛む力が弱くなった方でも安心してお召し上がりいただくことができます。

「容易にかめる」商品はこちら

「歯ぐきでつぶせる」商品はこちら

「舌でつぶせる」商品はこちら

今回は、介護食の種類や、「やわらか食」の特徴、介護食を選択する際に参考にしていただきたい「UDF区分」や「スマイルケア食」についてご紹介しました。

食べられなくなる理由は噛むことや飲み込むことだけが問題とは限りません。
体調が悪かったり、悩み事があって食欲がない場合もあります。

被介護者の状態は日々変化するので、一概に同じレベルの食事ということではなく、食べる状態を観察したり、声掛けをして話を聞いてあげるなどして、被介護者にあった食事作りを心がけましょう。

介護に携わる方々にとって栄養や誤嚥性肺炎に注意して介護食を毎食作るのはとても大変なことです。

時には、そふまるのやわらか食を上手くご活用いただき、少しでも食事介助の手助けとなれば幸いです。



監修者
上田 稚子(Ueda Wakako)  管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。
現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。